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2021は丑年〜人と牛の長い歴史〜
更新日時:2020/12/28
『牛も千里、馬も千里』
ゆっくりだけど、一歩一歩を大切に着実に・・・!
ずっと昔から一緒に歩んできた人と牛。
古くは約2万年前にクロマニョン人が描いたとされるラスコー洞窟の壁画にも描かれた牛。
かつては水田を耕したり、荷物を運んだりと家族の一員として欠くことのできない労働力でした。馬と違い、2つに分かれた蹄を持つ牛は踏ん張ることができるため、斜面の上り下りも得意で山道を歩いての物資の輸送を支えていたそうです。
[▲高橋松亭 「都南八景之内 馬込」]
[▲葛飾北斎 「東海道五十三次 絵本駅路鈴 藤沢」]
また、家畜牛からもたらされる乳や肉は、薬としても珍重され利用されていました。幕末の頃には牛鍋屋が登場し、明治になると政府による牧畜政策も進められ、品種改良により誕生した「和牛」は世界からも認められる立派な日本の宝です。
牛革は、食用にされた牛の副産物を有効利用したものであり、本来サステイナブルな素材。
皮の利用は約200年万年前の旧石器時代まで遡ります。人類が寒冷な気候の中を生き延びるためには、動物の皮が必須でした。そのままでは腐ってしまう皮を「革」にする”なめし技術”は、さまざまな研究・研鑽を重ねた長い歴史を持ち、現在に至ります。
革の代表格であり、古くから最も革製品に使われてきた素材こそ牛革です。子牛皮から成牛皮まで、大きさ・厚み・質感は多種多様。さらには革を縮めてシボを際立たせるシュリンクや細かな模様やロゴを凹凸で表現する型押し、艶々と滑らかな表面仕上げのエナメル、小さな無数の穴を開けるパンチングなど、数え切れないほどの加工方法が存在します。
あらためて人と牛の歴史を振り返ると、その繋がりはとても深く、愛着さえ湧いてくるのではないでしょうか?
丑年の今年、耐久性にも優れ、安定した品質を持つ牛革の魅力にあらためて注目してみてください。